僕が働いていたホストクラブ(正確にはメンズキャバクラの略でメンキャバという)はお店のオープン前に15分かけて朝礼と社訓の唱和をしていました。
営業開始までの流れ
お店自体は17時営業開始と割と早かったので出勤はさらに早く、ベテランだろうが新人だろうが売上がまったくなければ15時に出勤して1時間の掃除からスタートです。
そして少し売上がついてきたら16時からの出勤になり、出勤したらテーブルマナーや会話など接客のロープレを45分やります。
もっと売れてくると17時の出勤や、一番遅くて19時出勤という人もいました。もちろん新人でも売上があれば同じように出勤時間は遅くなります。
そして売上が上がれば日給の最低保証が6,000円、7,000円、10000円とどんどん上がっていきます。
時間が短くなって給料があがっていくってすごいですよね(笑)
完全実力社会。お店の営業終了が12時半までだったので売上を作れる人は1日4時間半の出勤で日給4,5万円とか稼ぐんです。プラス売上の歩合なのでもらってる人はものすごくもらっています(笑)
給料は現金手渡しなので給料袋が厚すぎて封筒が立つ(200万ぐらい)人や封筒1つじゃ収まりきらず2つに分かれている人もいました(笑)
売上の立っていない人は営業開始の2時間前に出勤し、掃除をしてロープレで接客技術を磨きます。
そして16時45分になったら朝礼を行います。
意外と普通の飲食店ぽいですよね?(笑)
社是、社訓、経営理念の唱和
朝礼なんですが、みんなで社訓と経営理念の唱和からスタートします。
今はそんな会社って少なくなってると思うのですが、さすがそこはホストクラブです。
みんながかなり大きな声で読み上げます。
そこで書いてあることがホストなのにめちゃくちゃいいこと書いてあったので、改変しながら紹介したいと思います。
お店がまず第一に掲げている言葉が「実現」です。
ホストクラブは地方から夢を見て働きに来ている方も一定数いるので、持っている夢は叶えられる、実現できるぞ!という意味合いですね。
そしてお店の理念というのが3つあります。
一つは、歌舞伎町、新宿、日本にとどまらず自分たちを通して世界中に感動を与えようということです。
テーブルマナーしかり、お客様への気遣いしかり、自分のトークしかり、とにかく自分という人間を通して相手に感動を与えようということです。
二つ目は、自分と関わってくれるすべての人に対して喜んでもらおうということです。
ホストは普通のコンビニやショッピングモールとは違って放っておいてもお客様はこないので、基本的に自分たちがキャッチして連れてくるしかありません。そういった中で知り合ったお客様や、一緒に働いているスタッフや、自分の面倒を見てくれている店長や代表にお世話になった分、対価として喜んでいただけるように振舞おうということです。
三つ目は、お店自体がスタッフに対して夢を見せ、スタッフが夢を叶えられる環境を整え、幸せになってもらうということです。
すごいですよね。お店はお店の利益だけを考えるだけではなく、スタッフに夢を叶えてもらい、幸せになってもらいたいという意思表示です。
僕が働いていたのは少し前になるので今みたいに働き方改革や、従業員の幸せのために努力する会社なんて今より全然少なかったはずです。
そんな中で、しかもホストクラブという悪く見えてしまいがちな業界なのにスタッフにコミットしていこうという姿勢に僕は当時若いながらにすごい事だと感じていました。
僕はホストってギラギラしていて金を稼ぐために女の人を騙してお金を巻き上げるというイメージだったのですが、この社訓を見た時にイメージを覆されました。自分のことだけを考えて売上だけあげればいいというお店ではなかったんですね。
僕のお店がギスギスしていなくて、人間関係がかなりよかったのもこういう考え方が浸透していたからこそなのかなと思います。
全部書こうと思ったら意外と長くなってしまったので次回後編書こうと思います。
[…] ホスト時代の朝礼(前編) […]